知らないうちに・・・


今年に入っていくつか気になる記事がありました。
グーグルのことです。


ウェブ進化論を呼んで、グーグルの凄さが良くわかったし、
そのビジョンの大きさを理解すると、これからのインターネットに
希望と夢を与えてくれる企業なんだと思います。


でも、やっぱり気になります。


こんな記事がありました。
「グーグル社、中国政府の検閲に同意」
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20060126207.html
つまり、

認可を得るため、グーグル社は中国政府が好ましくないと考える
ウェブコンテンツを除外することに同意した。

わけです。
確かに中国でグーグルが成功することは、
ゆくゆくは全人類の2割近い個人を取り込むことになるわけだし、
グーグルが目指す世界を実現するためには重要なことなんだとも思います。


でも何か気になります。
グーグル社のビジネス(利益)のために検索結果が操作されるわけです。
もちろん利益追求が企業の目的ですから、
それを否定するものではないのですが、やっぱり気になります。


つい先日も、サイバーエージェント社のサイトがグーグルで検索不能になった
と言う記事を見ました。
melma!やECナビ、グーグルから検索不能に--検索スパム行為が原因か」
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20099674,00.htm


検索不能になった理由は、グーグルから伝えられてなかったようです。
検索エンジン対策のリンクをはずしてグーグルに報告したら、
検索可能になったと言うんだから、それが理由だったわけです。
まあ確かに、検索エンジン対策のリンクをはられたら、
検索結果のランキングが妥当なものかどうか、わかんなくなりますから
それはそれでグーグルの言い分もわかります。
でも、やっぱり何か気になります。


ある意味でグーグルはブラックボックスです。
一番いやなのは、知らないうちに、
グーグルの意思で検索内容が操作されることです。
例えそれが、悪気があってグーグルがやったことでなくても、
他に大義名分があってなされたことであっても、
めまぐるしく情報が入れ替わる現代にあって、
情報リテラシーにも差がある様々な人がいる世界において、
たまたまその操作の事実を知らなかった人が
知らないうちに適切ではない情報を手に入れることだって
起こりうるのではないでしょうか。
例えば、
僕の会社の回りの人間の100%が、サイバーエージェントの話や
中国の話を知っているわけではありません。
でもみんな、グーグルをありがたがって使っています。


インターネットに参加する個々人にすばらしい未来があるとしたら、
それはデモクラシーだと思います。
グーグルだけに先頭を走らせておく危険性っていうのも
あるのかもしれません。